リンガスキルにおける役割と関わりについて教えてください。
すべてのCambridge Englishのプロダクトでライティングの研究を監督しています。リンガスキルに関わるようになったのは2017年11月で、現在は試験のライティングのコンポーネントに取り組んでいます。
リンガスキルではどのようなニーズの解決を目指したのでしょう?
多くの言語熟達度テストには記述コンポーネントが含まれません。これは記号論理学的に採点が困難なためです。そのため多くのテストは、リーディングと文法に焦点を合わせた多肢選択問題のみに依存しています。しかしながらライティングは、企業や教育機関が興味を持つ最も重要な技能のひとつです。そのためリンガスキルでは、コスト、効率、試験結果提供のスピードで妥協することなく、ライティングを含むオプションを提供しています。これは、以前なら含まれなかったかもしれない場合にも、ライティング技能を含められることを意味しています。
リンガスキルはどのような点で他のテストと異なっているとお考えですか?
ライティングの自動採点でケンブリッジ大学の機械学習研究を活用し、即時に結果を提供している点です。ALTAの研究者とCambridge English、そしてケンブリッジ大学出版の協力のおかげで、我々には外国語としての英語(ESOL)の試験の文脈に合わせてカスタマイズされた、独自の自動採点機能があります。そのためライティング自動採点機能の開発において、Cambridge Learner Corpusを使用できるのです。これはESOL受検者によって提出された、本物の試験答案を集めたものです。ALTAの研究では今までにない技術を活用しています。つまり我々が持つテクノロジーは最先端なのです。
リンガスキルの開発を通じてどのようなことを学びましたか?
たとえ(より優れているとは言わないまでも)人間の試験官と同じくらい適切であるという証拠を示されても、一部の人々はコンピュータによって自分のライティングが採点されるという考えに抵抗があるという点です。そのため、それを示す証拠を関係者に分かりやすい形で提供することも、私の仕事の一部です。
リンガスキルが市場に出た今、製品と市場導入に関して最も満足しているのはどのような点でしょう?
迅速で効率的で使いやすいテストについて、センターから届く熱気です。ユーザーエクスペリエンス(UX)の改善と使いやすさに対する関係者の肯定的な反応を目にするのは、本当に嬉しい体験です。おかげでこのテストとプラットフォーム開発が、価値のあるものだと感じられます。
今後2~3年間でリンガスキルはどのように発展するとお考えですか?
さらなる適応性を獲得するでしょう。受検者のレベルにリンクした、よりパーソナライズされてターゲットが絞られたテスト体験が提供されます。さらに、パフォーマンスについてのさらなるフィードバックが、受検者と教育機関に提供されるでしょう。
コンピュータ版テスト(CBT)は、AIの利用の増加によって将来どのように変わるとお考えですか?
AIのいっそう広範な利用によって当機関のテストはよりスピーディーになり、その結果はいっそう覆されにくいものとなるでしょう。
その他に、今後5年間で言語学習とテストに影響を与えると思われる重要なトレンドはありますか?
現在、より詳細な評価情報を通じて、さらにパーソナライズされた学習体験が実現しつつあります。受検者のデータをひとつにまとめ上げることで、学習の道のり全体を通じて支援をカスタマイズし、進捗に関わる予測を管理できるようになるでしょう。特定の受検者グループがどのように言語の熟達度を向上させるのかより詳しく把握することで、具体的な環境で進歩を遂げるための最善策についても助言を行えるようになるはずです。最後に、試験会場の外でもより多くの評価が行われるようになるでしょう。これはモバイル機器やウェアラブルデバイスによって促進されます。