24/12/2021
今月、世界屈指のスキーリゾート地として知られる倶知安町の小学6年生がケンブリッジ英語検定を受験しました。
同町教委は平成29年に文部科学省が示した「新学習指導要領」で2020年から小学校の外国語教育の充実が図られることを受け、本格実施に先駆け移行期間の2018年から外部委託により英語専科教員を活用した授業を実施、小学3年生から学び始めて今年で4年目となる6年生約140名がケンブリッジの試験に臨みました。今回、ケンブリッジの試験を活用し「指導と評価の一体化」を自治体レベルで具現化された倶知安町教育委員会様のケースについて、小学校英語における日本初の取り組みとして紹介させていただきます。
町内5つの小学校に通う全6年生が挑んだ「Pre A1 Starters (スターターズ)」は、初学者向けの4技能テストで、世界でおよそ90の国や地域の子どもたちに受験されている国際英語テストです。
子どもたちの潜在的な能力の開花の一助になればとの思いから、今から約25年前にケンブリッジが7歳から14歳のヤングラーナーズ向けの試験として提供を開始した試験です。現在、日本の中高生に多く受験いただいているA2 Keyレベルに繋がる試験で、世界で最も認知されている国際標準のCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に準拠しており、世界で40以上の言語の学習指導要領等で活用されています。
倶知安町教育委員会様のコメント:
町教委では子どもたちが生きた英語を学び、使えるよう2018年より専科教員制を導入し、英語の授業はすべて英語で進めてきました。ポストコロナには再び多くの外国人観光客が訪れるという地域性もあり、実践的な英語力の習得の必要性が多くのステークホルダー間で共有されています。これまで4年間の授業の成果と改善ポイントの振り返りのために、今回、世界標準のCEFRに準拠するケンブリッジ英語検定の一つ、Pre A1スターターズの活用を決めました。また町内の中学にもテスト結果を共有することで進学後の個別指導にも役立てたいと考えています。
ケンブリッジ大学英語検定機構 日本統括のコメント:
日本の新学習指導要領の「話すこと」の目標はヤングラーナーズ向けの対面スピーキングテスト(Pre A1レベル)の能力例(テスト結果のCan Doステートメント)と多くが共通しています。ですから、試験は特別なものではなく、日ごろの授業の延長線上にあるものとして、授業に参加する気持ちで受験してもらえたのではないかと思います。ケンブリッジでは現在「学習者を育てるためにテストを使う」Integrated Learning & Assessment (ILA)という考えのもと、教材やアセスメントの開発を手掛けています。今回、ケンブリッジの試験を活用し「指導と評価の一体化」を自治体レベルで具現化された倶知安町教育委員会様のケースについて、日本初の取り組みとして、注目させていただいております。